西野 仁雄 先生 略歴
1941年、大阪府堺市生まれ。66年、和歌山県立医科大学卒業。73年、ニューヨーク州立大学に留学。富山医科薬科大学助教授、名古屋市立大学教授、同大学医学部長。2003年、第13回読売東海医学賞受賞。2005年、名古屋市立大学学長・理事長。2010年、名古屋市立大学名誉教授称号 授与。
以前、西野先生が名古屋市立大学の学長をされているときに初めてお会いした際、とても気さくな方で話しやすく、いつも頑張りなさ いと温かいお言葉を掛けていただきました。今回は、西野先生にWillton8月開講のご報告とご挨拶を兼ねて大学のキャンパスに伺いました。 そのときの対談の様子です。
西野先生:今、日本の学生は非常に内向きになっています。 もっと海外に出て世界を見た方が良いと思います。グローバリゼーションはより進み、英語が話せる必要性は強まることはあっても、弱まることはありません。
シン:英語は日本人にとってなぜ難しいのでしょう?
西野先生:一つは地理的な問題だと思います。日本は島国で単一言語の国です。何千年も前からそうですから、日本人にとって 英語を話す機会や必要性が少なかったのです。
しかし、今の世の中、「英語は難しいから出来ない」では通用しなくなっています。
もう一つ大きな問題は、日本の文化的要因です。多くの日本人は遠慮がちで、人の前で自分の考え、意見をハッキリと発言しない。そこでちがう言語で発言するとなるとより難しくなる。
シン:先生の授業は英語でされるとお聞きしましたが、その理由は?
西野先生:日本の大学では、講義はほとんどすべて日本語で行われています。これでは学生の英語力はだんだん落ちていきます。 私は授業の約3割を英語で話すようにしています。自分が言いたいことを英語で話せるようになるには, とにかく英語に慣れることです。
シン:先生がおっしゃることに同感です!英語で授業をすることは 素晴らしいアイディアだと思います。フィリピンの大学を訪問したとき、全て英語で授業が行われていたことを思い出します。先生がおっしゃる通り日本人は自分の考え、思い、感情を表現することを慎みます。その場、その人によって言って良いこと、ダメな ことを区別していると思います。一般的に自己主張する人は嫌がられます。そのため、自分のことを話し慣れていないことが英語を話すときのネックになっています。そこで私達の開発したカリキュラムは、簡単な単語で会話をつなぐコツを習得してもらい、会話を膨らませる力を鍛えて会話の絶対量を増やしていくことを重視しています。
西野先生:面白いカリキュラムですね。頑張ってください。開講したときには、是非見させてください。
シン:先生に是非来ていただいて、英語と脳生理学についてレクチャーしていただけるとありがたいです。